キューブドラフト:ややこしいルール補足

老人向けに(主に最近のものなどについて)キューブに入っているカードに関係したルールの補足をするよ!

■相棒/Companion

イコリア(2020年)で導入された、別名「MTG ver3.0」。
統率者に似た能力で、毎試合必ず特定のカードが初手にあるような状態でゲームができる壊れシステム。
事実上手札が1枚多い状態でスタートかつ、相棒クリーチャーが持つ強力な能力を必ず利用できる点が大変よろしくなく、あらゆる構築フォーマットで暴れたためすぐにナーフされた(具体的には直接ゲーム外からプレイできなくなり、一度手札に加えるために3マナ必要となった)。以下、ナーフ後のルール。

ゲームを開始する前に、ゲームの外部からあなたが所有していてあなたの開始時のデッキが[条件]を満たしている相棒能力を持つカード1枚を公開してもよい。そうしたなら、各ゲーム中に1度だけ、あなたはソーサリーを唱えられるとき(あなたが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空であるとき) に(3)を支払うことで、ゲームの外部からあなたの相棒をあなたの手札に加えることができる。これは特別な処理であり、起動型能力ではない。

相棒能力が開始時のデッキを参照している場合、それはサイドボードのカードをすべて脇に置いた後のデッキを参照する。統率者戦では、統率者を脇に置くよりも前のデッキを参照する。

相棒を持つカードを手札に加えたなら、それはそのゲームが終わるまでゲームの内部に残る。

補足
・相棒の宣言は手番を決めた後に先行プレイヤーから行う。(マナ以外で地味にルール変更された点)
・条件を満たしていることを証明する必要はない。
・相棒に指定できるのは1枚だけ。
・ゲームの外部=サイドボードのこと。カジュアル以外では相棒を自分のバインダーなどから出してはいけない。
・相棒能力がついているカードを相棒としてではなく普通にデッキにいれる分に制約はない。
詳細はこちら

■出来事/Adventure

エルドレインの王権(2019年)で導入された。
出来事からプレイすることで最大2つの呪文を使うか、クリーチャー呪文を直接唱えるか選択できるという自由度の高さとアドバンテージを兼ね備えたナイス能力。
なかなかに良バランスのカードが多く、スタンダードで実績のあるカードも多い。

補足
・出来事を唱えたときに、カウンターされたりフィズったりするとそのまま墓地に落ちる(クリーチャー呪文側をそのあと唱えられない)ので注意。勿論、出来事を雲散霧消で追放されても唱えられない。
・スタック以外でカードを参照する場合は、出来事の側は無視される。(上記の「巨人落とし」はインスタントをサーチするカードで探すことは出来ない。)


■クリーチャー・タイプについて

マジックのクリーチャー・タイプはちょいちょい修正が入るので、最近のものはともかく古いカードはケータイか何かで確認するとよい。
作成したカードギャラリーも最新ルールが適用されているわけではなく、どこかの版そのままなので、変わってしまっている可能性はある。

アーティファクトクリーチャーは、元々クリーチャー・タイプをもっていなかったが、今は必ず何かしら割り振りされている。例えばトリスケリオンは構築物(アーティファクトクリーチャーのなんか機械っぽいやつは大体構築物になっている)

 

■変異/Morph

MTG界のトラップカード。カードを裏向きにしてトークンの代用として使う文化を廃れさせるのに大きく貢献した。
3マナで無色2/2クリーチャー呪文として裏向きでプレイすることができる能力で、初出の頃から裏向き状態で出すプレイが弱い能力だったが、クリーチャーサイズのインフレが進んだせいで更に微妙に。
裏向き状態のクリーチャーは、変異コストを支払うことで表向きにすることができる。

この、「表にする」行為はスタックに乗らず対応できない=大きいクリーチャーに化ける前にショックで焼く、といったことはできない。
勿論、表になったことで誘発する能力自体はスタックに乗るので、それに対応して何かすることは出来る。

補足
・ゲームが終わった際、インチキ防止のために対戦相手に表面を見せる必要がある。
・カードリストの変異カードと、ドラフト中に周っていた変異カードを全部覚えておくのは勝つためには結構重要なこと。
キューブ内の変異カードの一覧はこちら

 

■分割カード

過去に何度もルール変更されている扱いがややこしいカード。
余波、融合といった関連能力もあるが基本は一緒。押さえておく点は大きく下の2点。
・スタック上にある時は唱えた側の特性のみ持つ。
スタック上にない場合(手札やらライブラリやら墓地やらにある場合)は、両側の特性を合算する
 >カードタイプがインスタント・ソーサリーとかいう新人類になったりすることもある。
 >火//氷だと色は青赤の2色カードに、マナコストは2青赤(合計マナコスト4)となる。これは結構ルール変更されている点。

 

■多相/Changeling

アマルガドンすべてのクリーチャー・タイプである、という能力で大体絵が気持ち悪い。
これは「特性定義能力」であるため、戦場だけでなくあらゆる場所で機能する。例えばゴブリンをサーチするカードでライブラリの中から探してくるといったことが可能。

補足
・「特性定義能力」はそのオブジェクト自身の色、サブタイプ、パワー、タフネスを定義する常在型能力を指す。(パワー、タフネスだと★マークがついている)

 

■発掘/Dredge

おなじみマジックやっちまったシリーズ。
この能力があるカードが墓地にある際にカードを引くとき、ライブラリから発掘XのX枚分自分のライブラリーを削ることで、ドローの代わりにこのカードを墓地から回収できる。
発掘の使用はスタックに乗らないため、使用を決定したら割り込んで何かすることはできない。
起動型能力でも誘発型能力でもないため(常在型能力)、能力を打ち消すタイプのカードでは邪魔できない。(対応してこれを墓地から除外、とかはできないということ。手札に戻されるのが嫌ならドローの前に除外しよう)

補足
・ライブラリに十分な枚数がないとそもそも発掘できない。
・「カードを3枚引く」ときに2枚目までの内容を見てから3枚目を発掘に充てることもできる。(カードを3枚引くのはカードを引くイベントが3回あるとみなす)

 

■破壊不能/Indestructible

ダメージと「破壊」効果を無視できる。
キーワード化前の旧来のテキストは「xxxは破壊されない」だった。
タフネスが0以下になった場合は死亡する。除外や生け贄も有効。

 

■族霊鎧/Totem Armor

破壊不能に似ており、エンチャントされたクリーチャーを1度だけ破壊から守る能力。おっさん向けに説明するならば再生のルールと大体一緒。(タップはしない)
勿論、タフネスが0以下になったり、除外やら生け贄の場合は助からない。アーメン。

補足
・複数の族霊鎧がついているクリーチャーが破壊される場合は、クリーチャーのコントローラーが族霊鎧を一つ選択して、その一つだけを破壊する。族霊鎧+再生の盾がついたクリーチャーが破壊される場合も同様にどちらで破壊効果を肩代わりするか選ぶ。
・族霊鎧とそれがついているクリーチャーが同時に破壊される場合は、族霊鎧の能力でクリーチャーは助かる。
・クリーチャー破壊の肩代わりとして「族霊鎧を破壊」するので、族霊鎧に破壊不能が付くとクリーチャーは事実上破壊されなくなる。
・族霊鎧の能力を使わずにおとなしく死んでおく、という選択はできない。生きることは強制である。
・相手のクリーチャーに付いちゃっても勿論機能する。(エルドラージ覚醒のリミテッドでたまに発生する困った事象)

 

■授与/Bestow

クリーチャー・カードを、クリーチャー用のオーラとしても唱えることができるようになる能力で、(やっぱり)過去にルール修正された実績がある。
オーラ化した際は本体と同じ能力・サイズ補正を与えるものが殆ど。テーロス次元界産で、クリーチャー状態でもエンチャントである。

補足
・授与コストで唱えた場合は、クリーチャー呪文ではなくなり、オーラのサブタイプを持つエンチャント呪文である。
・オーラ呪文として唱えたスタック中に、エンチャント先のクリーチャーがいなくなっても、そのままクリーチャーとして戦場に出る
・オーラになっているときにエンチャント先のクリーチャーが死んだり、プロテクションがついて引っぺがされたりしても、そのままクリーチャーとして戦場に残る。(改めて場に出るわけではない。)
(しぶとい)
細かいルール多数。気になる場合はこちら

 

■変容/Mutate

クリーチャーにクリーチャーを合体させる、ジャッジを苛めるために新たにイコリア(2020年)にて追加された能力。
変容はクリーチャーの進化を表しており、クリーチャーが新しく能力を得たり、化け物に変化したりとかそんなののイメージ。
変容で合体したら1体のクリーチャーになって能力が累積すると考えておけば大体間違いではない。

補足
・変容で合体すると選択した一番上のクリーチャーにその他のクリーチャーの能力がついた状態になる。サイズやクリーチャー・タイプは足されない。ので、普通はサイズが大きいものを一番上にする。
・変容したカードを分解するような効果は今のところない。
・変容コストで唱えたスタック中に、変容先のクリーチャーがいなくなっても、そのままクリーチャーとして戦場に出る
戦場からどこかに移動する場合は、全カード同様に移動する。例えばバウンスされたら全カード手札に戻るし、ブリンクすると全カード除外して再度戦場に戻るときはそれぞれ別個に出てくる。(キューブは関係ないけど、統率領域にはついていけないぞ!)
細かいルール多数。気になる場合はこちら

 

■忍術/Ninjutsu

皆大好きニンジツ。
ブロックされなかった攻撃クリーチャー(囮)を手札に戻す変わりに、攻撃状態で場に出る能力を持つ。ニンニン。

補足

・ブロック・クリーチャーの指定前には使えません。
忍術で場に出る忍者は囮役のクリーチャーの特性を引き継がない。(「実は忍者だったのだーー!」ではなく、「そちらは囮、本当はこっちだーー!」である。)オーラとか装備品とかは全部外れてしまう。新たに戦場に出るので、忍者はいつも召喚酔いしながら対戦相手を攻撃している。なので、戦闘後に連続突撃とかプレイされても突撃できない。
・忍術は起動型能力なので、所謂普通のカウンター呪文では打ち消せない。(勿論、能力を打ち消しできるならOK。しかも囮を手札に戻すのは効果ではなくコストなので囮役のクリーチャーは戦場から消える)
・忍術に対応して、手札から忍者を捨てさせたら当然忍者は戦場に出ることはできず、やっぱりクリーチャーが戦場からいなくなる。
・戦闘ダメージを与えた後で忍術を使うこともできる。
・連続で忍術を行うことで、1枚の忍者で攻撃クリーチャーを複数体手札に戻すこともできるぞ。(場に出れる忍者は1枚だけだけど)


■連繋/Splice

神河物語で登場した空気感の強い能力。
弁護をすると、連繋が決して弱い能力というわけではなく、この能力がついているカードが弱いだけである。
モダンホライズン(2019年)で制限が取っ払われたものが登場したが、強い連繋持ちカードは結局ないので、空気感は相変わらず。
使い方:呪文を唱えるときに、連繋で指定されたカードタイプの呪文であれば連繋することができる。その際、連繋呪文の連繋コストを支払いカードをチラ見せする。そうすると唱えた呪文に連繋した呪文の効果を追加することができる。

補足
・元の呪文のマナコストやら色やらは変わらない。能力を足すだけである。
・仮に↑の常在夢境を稲妻に連繋した場合、稲妻がカウンターされたりフィズったりしたら当然カードは引けない。

 

■続唱/Cascade

アラーラ再誕(2009年)で登場。タダで呪文が付いてくる、しかも何がめくれるかはランダム(表向きは)と、ネット配信がお盛んな現代向きのドラマチックな能力。呪文がひとつタダでプレイできるので当然強い能力。

補足
・続唱付きの呪文を唱えたときに誘発する能力なので、元の呪文より続唱でめくれた呪文のほうがスタックの上に乗り、先に解決される。
・該当する呪文が出るまでめくり続けるので、土地が出て残念ということはない。
・めくれたカードを唱えないことを選んでもよい。(ライブラリに戻る)
・マナコストにXを含む呪文なんかは大体何もしないので、一緒にデッキに入れないほうがいい。打ち消し呪文もお勧めできない。
・レアケースではあるが、マナコストが無い呪文(0マナ呪文ではなく)も唱えられる。世の中にはそれで悪いことをする人もいる。

■昇殿/Ascend

条件を満たすとプレイヤーが「都市の承認」を得て(プレインズウォーカーの紋章みたいなもん)カードがパワーアップしたり能力が解放されたりする。
イクサランの相克(2018年)で登場した、伝説の都市オラーズカ(アトランティス的な)の力を得たことを表す能力。
一度条件を満たしてしまえば、ゲーム中にプレイヤーから「都市の承認」がなくなることはない。
※「都市の承認」を得るのはパーマネント10個をコントロールしているということが条件になるが、パーマネントの場合は常時チェック、インスタントやソーサリー呪文についている場合は解決時にチェックが行われる。

 

 

■無色マナを要求する呪文と能力(エルドラージ)

ゲートウォッチの誓い(2016年)でエルドラージが持つ特性。
◇で表されるマナは無色のマナでしか支払いを受け付けない。
マジック第六の色と言っても過言ではない。
基本土地だけだと唱えられない面倒臭い呪文であるが、その分強いカードが多いので組み込めそうなら頑張って使ってみよう!
(無色マナを生むカードは昔は無色マナを表すのに、1とか2と書かれていたが、現在は◇とか◇◇と書かれている)

補足
・「好きな色のマナ」と書かれている場合に無色マナを選択することは出来ない。つまりブラック・ロータスが100万枚あってもこのコジレックを唱えることは出来ない。
 

■基本のパワーとタフネスを変更する効果

最終的な値をその値にするわけではないので注意。簡単に覚えておくならば「修正効果の前に基本サイズ変更が適用される」ことを覚えておけばOK。
巨大化(+3/+3)が解決済みのクリーチャーを蛙にすると4/4になるし、
殆どのハイドラは蛙にしたほうがサイズが大きくなる。なんだか理不尽な感じがするが、そうなのである。(ハイドラは大体は元のサイズが0/0で+1カウンターが沢山乗ってるだけだから)
詳しくはここにわかりやすく書いてあるので見てみるといいよ!

アーティファクトやエンチャントをクリーチャー化する効果

装備品やオーラは、クリーチャーになると他のクリーチャーから外れるし付けることができなくなる。(装備コストを支払うことはできるけど、付かない)
付いてても処理に困るから(バンドと同じルールにする?やっぱり困るでしょ?)、これは良心的な配慮と言える。

■墓地の順番

↑入ってません。

墓地の順番に関係するようなカード(ファイレクシアの炉とか冥界の影とか)は入れていないので、並び順は気にしなくていいぞ!
(意外とみんな、正しい順番でカードを墓地に置いていないしね!)